2025年1月の初回セミナーは、「Eコマース大予測 2025年EC業界どうなる?」―超過激な衝撃編―(登壇者:デジタルコマース総合研究所・本谷知彦代表、JECCICA・川連一豊代表理事)


2025年記念すべき1発目のセミナーは1月17日、日本越境EC協会(JACCA)とジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)合同でセミナーを開催しました。合同開催は、年末総会に続き2回目。場所は銀座・歌舞伎座タワーのマイナビTECH+さまの会場をお借りしました。

テーマは「Eコマース大予測 2025年EC業界どうなる? -超過激な衝撃編-」。講師は大和総研時代に経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」を担当し、現在はデジタルコマース総合研究所で代表を務める本谷知彦氏と、JECCICAの代表理事である川連一豊氏が登壇しました。

自称”Mr.EC化率”のデータ分析に精通している本谷代表と、独自の視点で”不思議と当たる”ことで有名な川連代表理事のセミナーは目を見張るものがありました。特に川連代表理事のセミナーは”超過激”でした。

第1部では本谷代表が登壇し、25年以降のEC市場の展望について説明。経済産業省は24年、23年度の物販系BtoC―EC市場規模は14兆6760億円と発表しました。前年と比較すると、4.8%増の成長になりますが、このことについて、本谷代表は警鐘を鳴らしています。


「見方を変え、EC化率で見ると、2022年は9.13%、2023年は9.38%と、実質成長率はわずか2.74%増にとどまっています」


「さらに24年を予想すると、市場規模は15兆円に拡大すると予測しており、成長率は1%前後になるのではないか」


と驚愕な予想を発表しました。コロナ禍で急速に拡大したEC市場ですが、アフターコロナになった今、成長が簡単でないことが分かります。それにしても、24年の成長率は1%か。。。市場の成熟度を感じるととともに、ECだけで成長することが難しいのが見て取れます。

本谷代表はモールの分析も細かい!23年度の各モールの流通総額(GMV)では、アマゾンが楽天を大きく突き放した格好になっているとのことです。さらに、昨今話題となっている「Temu」や「SHEIN」なども、日本に参入してきており、着実に日本市場で存在感を発揮している印象を受けます。どのようにアマゾンを攻略して、「Temu」などの格安ECプラットフォームに負けないでいくべきか。価格競争ではない、高付加価値を付けたブランディングが鍵を握りそうです。


2025年の展望はどうなる?


それでは、2025年はどのような年になるのでしょうか?本谷代表は5つの重要項目を掲げました。主に①楽天は厳しいが成長継続②Amazonは増収基調③「Temu」躍進も2強には迫れず④メルカリShopsの動向⑤交通系モールの台頭ーーです。

本谷代表はさらに先のことまでを予測しています。本谷代表は以前、レポートで30年ごろにEC市場がピークになる可能性があると指摘しました。だが、その後はECの市場は再成長期になり、37年ころには市場規模は25兆円にまで拡大すると予測しています。


「30年以降も生産労働人口は減少し、深刻な人手不足で実店舗運営の維持が困難なります。小売拠点数も年々減少しており、実際に北海道、香川、秋田などでは小売拠点数は減少しているのです。だが、同時に共働き世代は増え、家事の簡素化を考える人は増えるでしょう。そこで、ECの利用率は増加すると考えています」


このように本谷代表は推測しています。EC市場は20〜21年がコロナ特需で、22年〜30年までが第一次成長期、そして、30年〜37年が再成長期になるのかもしれません。EC事業者の皆さんは負けることなく、しっかりとEC運営を行い、成長していかなくてはいけませんね。


川連代表理事が登壇、鍵は3つの”イ”

第2部では、JECCICAの川連代表理事が、個人的な願望も込めて、25年を占いました。 

「25年は”3つのイ”。インフレ、イモ、そしてイーロンマスクですね」


と、どういうことなのでしょうか?

詳しく見ると、楽天市場でも、芋ジャンルが加熱しているようで、芋国屋は12月だけで〇〇円も!売り上げると話していました。さらに、海産物の通販事業を手がける伝食も、芋の販売を行っており、芋はホットな市場なのかもしれません。

セミナーが進んでいくと、

「真面目なお話をすると、25年日本の景気は良くなります、TikTokをI氏が買収予定、AIがさらに進化する」と”川連予測”を発表しました。

ここから先が、過激な”川連予測”。

「1月だと、トランプ大統領就任、中国の春節、アニメ映画『ベルサイユのばら』の放送が決定。3月には、〇〇広告が不具合で止まる。5月には、、、」

と、過激すぎて記載できませんでしたが、”川連予測”は当たるのでしょうか?来年の新年のセミナーで答え合わせをしたいと思います。


セミナー終了後には懇親会も開催!多くの人が参加し、越境EC・国内ECに関して多くの議論を交わし、こちらも盛況。代表理事の恩蔵も、12月下旬のインフルから復活し、冒頭挨拶でJECCICA理事の退任と新任のメンバーにエールを送っていました。「合同開催は年末と年始で2回、JACCA創立以来初めて行いましたが、国内と海外双方の意見を交わすと、面白いより深い議論になるね」と語っていました。


さて次回のセミナーは2月20日です。日本最大級の女性経営者団体「エメラルド倶楽部」の菅原智美代表が登壇し、東南アジアにおけるBtoB販路開拓を説明するセミナーを実施します。皆さまからのお申し込みをお待ちしております!

JACCA第21回セミナー:エメラルド倶楽部登壇「今こそ海外進出!ベトナムのビジネスチャンスと現地のニーズについて」 2月20日(木)18時から(登壇者:菅原智美氏)

日本最大級女性経営者の会、エメラルド倶楽部の代表の菅原智美氏が、海外のパートナーと連携し日本の商品を海外に販売する事業を展開をする中で感じるビジネスチャンスや気をつける点等について、お話しします。