JACCAのセミナーから学べる、越境ECでビジネス拡大する方法と、そのはじめ方(執筆:株式会社Maddler 代表取締役 片岡 伶介)

グローバルEC領域のB2B卸売プラットフォームを運営している株式会社Maddler代表の片岡と申します。
今回は貴重な協会のコラム欄に執筆の機会をいただいたので、一年のまとめとして、越境EC協会で学べる!相談できる!自社のグローバル展開と成功方法について、今まで参加したセミナー内容からピックアップしてまとめてみたいと思います。

Contents:

1.初めに今越境ビジネスをやるべき理由

2.小売越境ビジネスでの課題と解決方法

3.海外展開予算と正しいコンサルタントの探し方

4.日本から世界への越境ビジネス戦略とアプローチ方法

5.まとめ
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1.初めに、今越境ビジネスをやるべき理由

詳しくはこちらの記事をご覧いただけると、より深く理解が進みます。

○タイトル:越境ECが拡大しなくてはいけない理由

○タイトル:なぜ越境ECは日本企業に必要なのか

小売ビジネスにおいての越境という領域は、近年かなり身近になってきました。
しかし、日本のEC市場からの越境ビジネスへの進出割合はかなり少ないからこそ市場規模も伸びきっていないのが現状です。

ブランド、小売ビジネスにおいて日本国内のEC市場は約23兆円と大きいのですが、その中でも10兆円前後は楽天やAmazonのプラットフォームが占めています。
そして、日本のECショップ数は約300万店舗と言われており、その平均年間売り上げは200万円程と試算されています。
何が言いたいかというと、日本国内で日本の商材でブランド化していくことや、高単価高利益率を実現することは、かなりのマーケティング投資とブランド投資が必要ということになります。

差別化が難しい商材かつ、楽天Amazonの低単価でコモディティ化していく商品群の中で拘りがあるブランドや地方創生ブランド、新規ブランドが戦っていくことは、かなり難しい市場ということになります。
今Amazonや楽天で売れている商品を分析してみるとその傾向はより顕著にご理解いただけると思います。(中国OEMブランドが多いのも納得ですね。)

ということは、自社ブランドを伸ばしていきたい場合に何が必要かというと
大きく差別化した商品を広告を適切に配信し安く売ることが必要なのが日本の市場ということです。

一方、世界に目を向けてみると需要はどうあれ日本で生産や開発、デザインされたという部分は何もしなくても一つの差別化要因となります。
もちろん、それだけでは需要が満たせなかったり課題の解決にはならないのでリサーチや売れる理由づくりをしていく必要はありますが、マーケットの視点を世界に変えるだけで自社ブランドの可能性を大きく広げることができるのがグローバル展開、越境ビジネスの一つの魅力となります。

2.小売越境ビジネスでの課題と解決方法

では、海外に自社商品を展開していく際に考えなければいけないことはなんでしょうか?
海外展示会に出店後の商談について、現地に子会社が必要なのか、物流、貿易、認証、現地のルール、B2Bでやるか、B2Cでやるか、マーケティングはどうやってやるか、地域選定etc…大体はこの課題の相談先として、JETOROさんや様々なコンサルタント、Googleで検索して出てくる越境ビジネスの支援企業に相談することとなります。

越境ビジネスのスタートとして、上記の課題を解決していくことは大変で、果たして正しい解決方法が提示されているのか、正しい金額なのか、正しいアプローチなのかという部分もわからないことが多いと思います。
もちろん、自分で学び経験することが一番重要なのですが、越境EC領域においてはGoogle上になかなか一次情報が少ないのも事実です。
そういう時には、宣伝になってしまいますが、一度 JACCA越境EC協会か、私に相談いただければと思います。
なぜかというと、複数人のそれぞれの得意分野を持つ専門家が損得なしに相談に乗ってくれるからです。セカンドオピニオンとしてでもぜひ、一度イベントに参加してみることをお勧めします。

3.海外展開予算と正しいコンサルタントの探し方

この項目は様々な知見ややり方が各社あるので全て正しいという訳ではないのでご理解の上読み進めてください。
まず、海外展開を進める上での予算設計についてです。私は、ここの設計が一番重要だと思っています。
まず考えなければいけないのが、B2CなのかB2Bなのか。アプローチしたい国やユーザーによってマーケティング予算やリサーチの予算、使うプラットフォームが大きく変わってきます。

次に、初年度の売り上げ目標をいくらに設定するのかです。
この売り上げ目標に対して何をいくらで販売すると、いくら利益を得られるのかを考えることができ、海外での販売価格の設定をすることができます。
この2つの項目を自社内で決めずにグローバル化を進めていくのはかなりリスクが大きいです。
上記の相談から話をすることができるコンサルタントは、当たりと言っていいと思います。
間違っても、最初からShopify等で越境サイトを作りましょうという会社は避けた方がいいでしょう。

4.日本から世界への越境ビジネス戦略とアプローチ方法

次にいくつかのパターンによる、様々な方法と越境ECの始め方とアプローチに最適な方法をまとめます。

○B2C展開 予算少 担当者なし
転送コムやBuyeeによる自社サイトのグローバル化がお勧めです。
自社のSNSによる海外ユーザーの獲得やSEO記事などで集客しカート機能をBayeeで繋ぐことで海外の興味ユーザーの購買まで対応することができます。

○B2C展開 予算大 担当者一人
世界へボカンという会社に相談することをお勧めします。
戦略設計から柔軟な予算設計などを行ってくれます。

○B2C,B2B展開 海外にCSチームやマーケチームを作り本格的なグローバル展開
Lingbleという会社をお勧めします。
新規事業部のひとつとして、すべての機能を設計してくれます。

○B2B展開 予算少 担当者なし
株式会社Maddlerの越境B2Bプラットフォームをお勧めします。
少額の予算からでも海外バイヤーへのアプローチやリサーチなど柔軟に対応してくれます。

○資金調達
SIパートナーズさんへ相談することがお勧めです。
越境領域の補助金支援などの実績は日本一です。

5.まとめ

今回は、私が越境EC協会で学べたことや越境ECを成功するために必要な最低限のことをまとめてみました。各セミナーで共通して語られることは、
「海外展開は2〜3年は絶対にかかる中長期戦、正しいパートナーと最後は自社ブランドとしてやり切る力が必要。」
という言葉です。

協会のセミナーではこの内容の深掘りや企業ごとの事例をもとに具体的なセミナーや相談会を行っています。また、正しい相談相手とのマッチングも行っておりますので、お気軽にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

【執筆略歴】

片岡伶介(かたおか りょうすけ)

2007年株式会社スバル入社。自動車開発業務とグローバル商品の開発を経験。2015年自動車のデジタルプラットフォーム企業を創業。取締役COOとして自動車関連のECプラットフォーム開発や組織開発などを担当。メディアの立ち上げや全国1500メーカーのEC化やデジタル化、越境ECを推進。
2021年6月、株式会社Maddlerを創業。日本から世界への越境卸売B2BコマースのプラットフォームNipponGo wholesaleを開発運営。

JACCAセミナー 越境ECのブルーオーシャン、次はどこが来るか?

いよいよ東南アジアへの越境ECで、実際に販売されているAnanさんの講演です。
実際にプラットフォーム企業側で事業責任者として活動されてきたご経歴と、今現在、ShopeeやLazadaにて実際に販売されている実績から、東南アジアでは、どんな商品にニーズがあって、どういう販売促進が売れる可能性があるのかという点と、プラットフォーム運営側から見てこられたご経験を、お話し頂けます。